ジャーナル 田村正和さんについて (後半)

20210504 夕

 

 (昨日の続き)

 「パパはニュースキャスター」「パパは年中苦労する」の二作で、田村正和さんに強く惹きつけられた私。この頃全く超人的な勢いで連続ドラマの主演をこなしていた田村さん。私も彼の主演のドラマのほとんどを一回漏らさず見ていたように思います。なかでも、私にとって最高傑作は、今日、アメブロで取りあげた「男たちによろしく」でした。

 まず、たしか映像クリエイターを演じていた田村さんのスマートさと、公認会計士で親友役の古谷一行さんの堅実さが、キャラクター的にぴったりはまっていたこと。また、二人の離婚を通して、それぞれの子どもへのアプローチ。対照的に描かれながらも、意外なほど現実にありそうな感情(特に、田村さんの離婚時に残された子どもの心情に、田村さんが気付く場面)に思えました。次に、ドラマの舞台が「聖蹟桜ヶ丘」駅だったこと。実はこの駅は、私の親族が若い頃に住んでいたことがあると聞いていたので、勝手に親近感を感じました。さらに、俳優としての泉谷しげるさんの存在感。また、美しい女優陣の屈託ぶりと悪戯な雰囲気(田村、古谷の両氏を誘惑する若い女性達として、手塚理美さんや春やすこさんが出ていた気がします)。そして、ドラマの世界とぴたりと重なる森山良子さんの官能的な歌声・・・。

 このドラマでは、「男女七人」シリーズほど、女性陣の感性や心情は強く描かれていないのですが、それゆえ、生意気な田舎育ちの男子高校生としては、勝手な夢を膨らませることができたのでしょうか。

 いずれにしろ、この時の田村さんのスマートさ、クールな色気は出色でした。なかなか再放送されなかったのですが、どこかでまたやってくれないでしょうか。

 

 それから、主にフジテレビ系の大メロドラマの時代があって、その後、「古畑任三郎」ですね。二十一世紀に入ってからは、単発で松本清張氏の原作の推理ものなどに出演されていた印象が強いですが、私はこれらもできる限り観ていました。

 近年はあまり出て来られないように思いますが、ご本人の納得いくように過ごされているだろうと信じ、ただ心の中で回想するばかりです。ネット記事などもいくつか出てきますが、無視するようにしています。ファンとして、ご本人の邪魔にはなりたくないので。ただ、昔の作品を振り返るものがあったら、ぜひ読みたいとは思っています。少しでも上手に思い出すために。

 

 さて、妙に思わせぶりに書いたので、私が思う「田村ドラマの主題歌ベスト5」の残り三つは何か? とお尋ねいただきました。この先、いつか文章にしようと思っていたのですが、とりあえずタイトルだけ書いてしまいます。

 ・本田美奈子「Oneway Generation」(「パパはニュースキャスター」1987年 TBS系)

 ・角松敏生「This Is My Truth」(「敵同士好き同士」1987年 日本テレビ系)

 ・福耳「惑星タイマー」(「誰よりもママを愛す」2006年。 TBS系)

     の三曲です。それにしても、1987年の田村さんは、なんぼなんでも働き過ぎではないでしょうか。他に、アルフィーさんやチェッカーズさんも、入るような気がします。まあ、その時の私の感性次第ですが。

 

 なお、大学時代に日本映画の歴史を辿るべく名画座に通い詰めて片っ端から見た旧作邦画の中で、最もハンサムだと思った俳優のうちの一人が、阪東妻三郎さんでした。ヤクザな「無法松」を演じて色気がみなぎっていること。――田村兄弟のお父さんは流石だな、と思ったものです。

 

 長くなりまして、すみません。

 明日のアメブロでは、ジュリーのアルバム曲を取りあげます。

 

   2021年5月4日

    藤谷蓮次郎