ジャーナル 1979年の沢田研二(後半)

20210506 夜

 

1979年は、沢田研二さんと製作チームにとって、試行錯誤の年だったように思います。

勝手にしやがれ」の大ヒット以降、豊穣の78年を駆け抜けてきた彼が、79年の「カサブランカ・ダンディ」「OH! ギャル」の二曲で、美形の遊び人のパロディを演じることに嫌悪を感じた。これに対し周囲は、大人の男の色気を感じさせる歌を歌わせることで、なんとか前に進もうとした。その方向性を探すために、シャンソンだったり、バラードだったり、演歌だったり…。まあ、全ては歌謡曲の中に収まりながらですが、いろいろと探ってみた感じですね。

その意味で、いま評論しているアルバム「TOKIO」は、実に興味深いものです。

 

大人のシンガー・ジュリーは、どんな混沌から現れるでしょうか。

 

一週間に二つくらいずつ評していきます。よければ、ご一緒に、この一枚をめぐる旅をお過ごしください。

 

  藤谷蓮次郎

   2021年5月6日。