ケルアックの放浪 文化あみだくじ1

20211013 昼

 

昨日このブログで予告した通り、本日、若者たち相手に、ロバート・フランクについて、話させてもらいました。あまり興味のなさそうな方もいらっしゃいましたが、なんとなくお付き合いしてもらった感じです。

 

1950年代後半のアメリカ。序文を寄せているケルアックの存在は、重要ですね。ずっと福田実訳だったところに、十年ほど前に青山南訳も加わりました。ビート・ジェネレーションは、現代の若者の心から大きく離れたのかもしれませんが、佐野元春からビートに遡った我々世代への影響はとても大きいものがありました。

 

大学時代、不自由な英語で、「オン・ザ・ロード」と「サブタレニアンズ」を私は読みましたが、私は特に「サブタレニアンズ」の方が好きでした。若い男女のロマンスであり、自尊心の高い彼らの恋の破綻が、とても身につまされた感じでした。佐野元春の一枚目のアルバムに収録された「さよならBABE」「BAD GIRL」などに繋がる世界でもありました。

 

私はなぜか、「愛(アメリカ)を求めて放浪するケルアック」より「愛(理想的な男女の愛を生み出すアメリカ)を喪失するケルアック」が、今も好きです。

 

ケルアックとロバート・フランクの繋がりならばすぐに想起される「プル・マイ・デイジー」という短編映画も、確か佐野元春が関わっていたビート・ジェネレーションのイベントで観たと思いますが、たしかジャズ・パーティーの場面があったことを、かろうじて覚えているくらいです。

 

 藤谷蓮次郎

  2021年10月13日