ジョン・カサヴェテスの刺激 文化あみだくじ3

20211016 夜

 

ジョン・カサヴェテスの映画を観たのは、大学の仲間うちでは私が一番遅かったはずです。いろいろ予定が合わず、友人たちがうちのめされて帰ってくるのをさんざん見たあとで、「FACES」を観に青山か六本木に駆けつけました。

なんだかよくわからないけど、圧倒された時間でした。

以来、その時のカサヴェテス・シリーズは全て、それもできるだけ複数回駆けつけ、結果、「これを超える映画なんてないだろう!」と思うほど、全ての作品にやられました。

私にとっては、特に「こわれゆく女」のインパクトが大きかった!

あのジーナ・ローランズの見事さ!

ピーター・フォークも素晴らしかったですが、私にとっては、あのジーナは、母の面影に重ねて(と言っても、私の母はあんなに美しくないですが)みていました。

 

今でも、「気狂いピエロ」、「ツィゴイネルワイゼン」、「セリーヌとジュリーは船で行く」、「浮雲」、「丹下佐膳余話 百万両の壺」などと並んで、いや、それを越えて大好きな映画です。

 

人が人として、普通の人生でぶつかり続ける困難を描く、それ自体が映画であり、人生であること。それこそ、カサヴェテスが教えてくれたことでした。

 

そして私も、ハイエイトのビデオを手に、仲間たちと数本の映画を作ったのです。

 

 2021年10月16日

  藤谷蓮次郎